ironとsteelの違いを解説
日本語で"鉄"と呼ばれる金属は、
英語の場合、ironとsteelのどちらを使うべきでしょうか?
また、この2語の違いはわかるでしょうか?
この記事では、
ironとsteelの違いを中心に、金属関連の英語を解説します。
極めて純粋な鉄は、もろくて加工性に乏しいため、
炭素を加え、焼き入れすることで、
靱性(粘り強さ)を高め、硬度をUpしています。
そのため、ironとsteelは、
純粋な鉄への、炭素含有量によって、次のように分類されています。
iron: (純)鉄---(純粋な)鉄+炭素(Carbon)0.02%未満含有
steel: 鋼(鉄)---(純粋な)鉄+炭素(Carbon)0.02~2.1%含有
金属利用の歴史を紐解いてみると、
石器時代→青銅器時代→鉄器時代という流れがあり、
まず人類は、
青銅(=融点の比較的低い銅に錫を加えた金属)を使いこなせるようになりました。
次に、銅よりも融点の高い
鉄(=純粋な鉄に炭素などを加えた金属)の加工ができるようになりました。
その結果、
より硬く、丈夫な武器や道具を作れるようになり、
文明は進化してきました。
また、"鉄"は、metal 金属の一種で、
aluminum アルミ/Cupper 銅など、
他にもたくさんの金属があります。
この記事を通して、ironとsteelの違いだけでなく、
他の金属の名称、関連語句も合わせて覚えていきましょう。
それでは、例文とともにくわしく確認していきましょう。
iron
1.鉄
鉄+炭素(Carbon)を0.02%未満含有
Strike while the iron is hot. 鉄は熱いうちに打て
We decided to proceed with the project despite the high cost of iron. 我々は、鉄が高コストなのにもかかわらず、計画を進めることを決めた
The iron rod was used as an instrumental tool to break the glass. 鉄の棒は、ガラスを割る助けとなる道具として使用された
proceed with~は、「~を進める」という意味ですが、
proceed to~との違いを確認しておきましょう!
参考:proceed withとproceed to-意味の違いと使い方を解説
instrumentalは、「役に立つ」という意味ですが、
instrumentalの使い方を確認しておきましょう!
参考:instrumentalの覚えておきたい2つの意味を解説
2.アイロン
My mother smoothed wrinkles of my shirt with a steam iron. 母は、スチームアイロンでシャツのしわを伸ばした
The hotel can provide an iron for the guests during their stay. 当ホテルでは、お客様に、滞在中、アイロンをお貸しすることができます
provideの使い方を確認しておきましょう!
参考:provide A with Bとprovide A for Bの違いを解説
3.鉄のように強い意志
He has a will of iron. 彼は、鉄のようにに強い意志を持っている
Stone age(石器時代)→Bronze age(青銅器時代)→Iron age(鉄器時代)
青銅---紀元前3000年のメソポタミアで使われ始める---銅に錫を混ぜた金属
鉄器---紀元前1400年メソポタミアを支配したヒッタイトという国で使われ始める---鉄に炭素を混ぜた金属
日本の場合、弥生時代に青銅器と鉄器が同時に伝わったため、
青銅器時代がなく、青銅器は、祭器としてしか使われず、武器や道具には鉄器が使われた
steel
1.鋼(鋼鉄、鉄鋼)
鉄+炭素(Carbon)を0.02~2.1%含有
High durability special steel should be used for this processing. この加工には、耐久性の高い特殊鋼を使った方がよい
durabilityは、「耐久性」という意味ですが、
ものの性質を表す言葉を確認しておきましょう!
steelの種類
soft steel(軟鋼、低炭素鋼)
C含有量0.02~0.3%のものをこう呼びます
hard steel(硬鋼)
C含有量0.3~2.1%のものをこう呼びます
stainless steel(ステンレス鋼)
鉄を主成分(50%以上)に、クロムを10.5%以上含有した合金
2.(神経や心の)強さ、非情さ
He has nerves of steel. 彼は、強靱な神経を持っている
その他の金属と関連語句
metal 金属
aluminum アルミ---軽い
copper 銅---熱伝導率が高い
titanium チタン
magnesium マグネシウム
zinc 亜鉛
tin 錫
lithium リチウム---最も軽い金属
alloy 合金
alloy steel 合金鋼
aluminum alloy アルミ合金
アルミに銅/マンガン/ケイ素/マグネシウム/亜鉛/ニッケルなどを加えた合金
duralumin ジュラルミン
アルミニウム合金の中でも引っ張り強度を高めたジェラルミンは航空機の機体材料として使われています
rust (金属一般の)錆び
Stainless steel is strong against rust. ステンレス鋼は、さびに強い
corrosion (化学的な)腐食
化学的な損傷は、corrosion(腐食)ですが、
地形の損傷はerosion(浸食)です。
erosionとcorrosionの違いも確認しておきましょう。↓
金属の加工方法
金属の加工方法を大きく分けると、
金属ブロックを加工するための機械加工/板金を加工するプレス加工に分類されます。
その他に、
金属を溶かして金型に入れて自由な形状を作るダイキャストという加工方法、
金属に圧力を加えて目的の形状にする鍛造などがあります。
press stamping プレス加工
We started mass production of precision parts through press stamping. プレス加工による精密部品の量産を開始した
sheet metal 板金
bending 曲げ加工
drawing 絞り加工
shearing せん断加工
piercing 穴開け加工
notching 切り欠き加工
deformation 変形
warpage 反り
burr バリ
blunt edge ダレ
machining 機械加工
Machining should be added after press stamping to remove burr. バリを除去するために、プレス加工後に機械加工を追加した方がいい
die casting ダイキャスト
We had a meeting with a die casting mold supplier in China yesterday. 昨日、中国のダイキャスト金型メーカーと打ち合わせをした
forging 鍛造
This logo was formed by forging. このロゴは、鍛造で形成された
cold forging 冷間鍛造---常温で圧力をかけて加工
hot forging 熱間鍛造---高温で圧力をかけて加工
molding 樹脂成形
金属加工と違い、プラスチック材料は一般的に、
樹脂を溶かして金型に流し込むことで目的の形状を作成します
This plastic part was manufactured by injection molding. このプラスチック部品は、射出成形によって製造された
樹脂(プラスチック)についてくわしく知りたい方は、
下記の記事を参考にして下さい!
参考:native resinとsynthetic resinの違い-樹脂(プラスチック)の種類を解説
まとめ
"鉄"は、metal 金属の一種で、
純粋な鉄への、炭素含有量によって、ironとsteelに分類することができます。
ほかの金属と一緒に関連語句を覚えていきましょう!
metal 金属=熱や電気をよく通し、高い強度と展性、延性を持つ固体の総称
-鉄(下記2種類に分類できる)
iron: (純)鉄---(純粋な)鉄+炭素(Carbon)0.02%未満含有
steel: 鋼(鉄)---(純粋な)鉄+炭素(Carbon)0.02~2.1%含有
-soft steel(軟鋼、低炭素鋼)---C含有量0.02~0.3%
-hard steel(硬鋼)---C含有量0.3~2.1%
-stainless steel(ステンレス鋼)---鉄50%以上に、クロム10.5%以上含有の合金
alloy 合金---aluminum alloy アルミ合金---duralumin ジュラルミン
-aluminum アルミ
-Cupper 銅
-Titanium チタン
-Magnesium マグネシウム
-zinc 亜鉛
-tin 錫
-lithium リチウム
alloy 合金---aluminum alloy アルミ合金---duralumin ジュラルミン