技術英語-違いシリーズ

deformationとwarpageの違いを解説

deformationとwarpageの違いを解説

deformationwarpageは、

エンジニアの世界では、よく使われ、

「本来あるべき形状が損なわれていること」を表す用語です。

しかし、これらの用語はどのように定義され、区別されるのでしょうか?

この記事では、

deformationwarpageの違いを解説するとともに、

関連用語を紹介します。

 

まずdeformationですが、

「本来あるべき形ではなくなること全般」を指し、

「変形」という訳がぴったりきます。

元に戻らない変形は、plastic deformation 塑性変形

元に戻る変形は、elastic deformation 弾性変形

と呼ばれています。

 

一方、warpageは、

「本来あるべき平面が反ったり歪んだりしていること」を表し、

「反り」という訳がぴったりきます。

本来あるべき平面に対し、どの程度差分があるかを表す指標として、

flatness 平面度があり、

flatness measurement 平面度測定を行うことで、

warpage  反りの程度を確認します。

 

以上のように、

deformationwarpageは、それぞれ異なる定義を持つ現象です。

正しく使い分けるために、

2語の表す状態の違いを正しく理解しておきましょう。

 

また、この2語のように

「本来あるべき形状が損なわれていること」

を表す関連用語は、他にもあります。

例えば、concave/convexは、

平面に対して凹面/凸面であることを表しています。

また、局部的な変形を表す言葉として、

dent/protrusionも、部品不良用語としてよく使われます。

その他、変形を通り越した

物理的な破損を表す語として、

breakdownbreakagefractureなどがあります。

今回は、これらの語についても紹介したいと思います。

 

それでは、例文とともにくわしく確認していきましょう。

 

deformation

n.変形

This car is designed to minimize body deformation caused by car crash.  この車は、衝突事故による車体の変形を最小限に抑えられるよう設計されている

 

plastic deformation n.塑性変形→elastic deformation 弾性変形

We found the irreversible plastic deformation of this part through RCA. 原因分析を通して、この部品の不可逆な塑性変形を見つけた

 

RCA=root cause analysisと関連用語を確認しておきましょう!

RCAとcountermeasure-意味と使い方を解説

 

物質に荷重をかけていくと最初は弾性変形していますが、

弾性限界を超えると塑性変形が始まります。

また、弾性変形している領域を弾性領域

塑性変形している領域を塑性域と言います。

その境界点が、弾性限界/降伏点です。

それぞれの英語表現をまとめると次のようになります。

elastic region 弾性域---elastic deformationしている領域

plastic region 塑性域---plastic deformationしている領域

elastic limit 弾性限界---elastic deformation → plastic deformationの境界荷重値

yield(yielding) point 降伏点---plastic deformationして、荷重値が上昇しなくなるポイント

Hooke's Law フックの法則---変形量と荷重は比例するという法則

 

warpage

n.反り

Glass warpage can be measured by flatness measurement machine. ガラスの反りは、平面度測定機で測定できる

 

warp v.まっすぐ(平ら)なものを反らせる/心や判断をゆがめる

Compression stress warped the material. 圧縮応力によって材料が反った

His judgement was warped by a bias (preconceived idea). 彼の判断は、先入観によってゆがめられた

 

flatness n.平面度

We measured the flatness of this part surface by using laser light reflection. レーザー光の反射を使って、この部品の平面度を測定した

 

reflectionとrefractionの違いを確認しておきましょう!

参考:reflectionとrefractionの違いを解説

 

flatness measurement machine 平面度測定機

imaginary plane 仮想平面

 

関連語句

concave 凹状、凹み↔ convex 凸面

This telescope has a concave reflecting mirror. この望遠鏡は、凹面の反射鏡を備えている

An eye is like a camera with a convex lens. 目は、レンズを持ったカメラのようだ

 

concaveとconvexの使い方をくわしく確認しておきましょう!

参考:concaveとconvex-意味の違いを解説

 

dent 窪み↔ protrusion 突起

例えば、樹脂(プラスチック)部品などで、

本来あるべき形状に対し、部分的に窪んでいたり、突起があったりする不良のことを

dent/protrusionと呼んでいます。

 

One small dent(protrusion) was found as the part defect in a final inspection. その部品の不良として、最終検査で一つの小さな窪み(突起)が発見された

 

breakdown (機械などの)物理的な故障、破損

「物理的に破損して機能が損なわれる」

The breakdown of the equipment suddenly happened. その機器は、突然故障した

 

fialureとbreakdownの違いを確認しておきましょう!

参考:failureとbreakdownの違いを解説

「機器」という意味のさまざまな単語を確認しておきましょう!

参考:equipmentとinstrumentの違いを解説

 

breakage 破損、破壊

My smartphone was  crushed by car and resulted in breakage. 私のスマホは車に踏まれて壊れてしまった

 

fracture n.ひび割れ、破砕、骨折

Finding glass fracture origin is essential in glass breakage analysis. ガラス割れ解析では、ガラス割れの起点を見つけることが最も重要だ 

 

essentialは、「重要な、必須の」という意味ですが、

crucialとの違いも確認しておきましょう!

参考:essentialとcrucialの違いを解説

 

distortion n.歪み、変形

We designed the part so as to minimize the thermal distortion. 熱変形を最小化できるように、その部品を設計した

 

strain n.ひずみ

We calculated the material stress from strain. ひずみから材料ストレスを計算した

 

まとめ

deformationとwarpageの違いまとめ

deformation 変形---本来あるべき形ではなくなること全般

-plastic deformation 塑性変形---元に戻らない変形

-elastic deformation 弾性変形---元に戻る変形

warpage   反り---本来あるべき平面が反ったり歪んだりしていること

-flatness 平面度---warpageの程度を表す指標

関連語句

concave 凹状、凹み↔ convex 凸面/dent 窪み↔ protrusion 突起

breakdown (機械などの)物理的な故障、破損/breakage 破損、破壊

fracture n.ひび割れ、破砕、骨折

distortion n.歪み、変形/strain n.ひずみ

-技術英語-違いシリーズ

Copyright© エンジニアのための使える技術英語 , 2024 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.